メンタルヘルスを「普通に語る」チャリティー・コメディーに出たはなし

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Kazu Kusano performing in the livestream comedy show Normalize Everything. くさの和がストリーミング・ライブショーでパーフォーマンス。

“心の病をユーモアで語り、不名誉なイメージを変えるコメディーショー”

 

 

年末に、少し変わったチャリティ・ショーに出演しました。

慈善イベントが盛んなアメリカですが、このショーは、出演する5名のコメディアン全員が、統合失調症(妄想の精神疾患)の親を持つという、斬新な企画

タイトルは、ノーマライズ・エブリシング/ Normalize Everything。話しづらいことを普通に語れるようにしていこう、という目的で立ち上げられ、ロサンゼルスの新聞、LAタイムズにも取り上げられました。(記事は英語)

アメリカのコメディーってどんなの?という方は、こちら
基本はフリーダム・オブ・スピーチ

スタンダップ・コメディーって何?という方は、こちら
コメディーのジャンル、5つの種類

 

 

さて、当日はZOOMのショーに150名もお集まりいただき大盛況。

 

寄付先は、メンタルヘルスのコミュニティーを、芸術やテクノロジーを通して支援する非営利団体、ペインティッド・ブレインです。

Paintedbreain.org

「コメディーは病気の治癒になる」と語る、創設者のデイビッドさんも統合失調を患っています。

「25分くらい前に幻覚があったけど、今は消えてます。ヒドイよね?でも事実だし。笑って大丈夫だよ」という、彼のスピーチでイベントは始まりました。

参加者は、メンタルを病んだ方やご家族やご友人、ソーシャルワーカーが多く、一般的にタブーなネタが好きな客層です。

コメディアン達も一般的なショーではやり辛いネタを、ここぞとばかりに披露。病気を揶揄するのではなく、統合失調症の親を持つ子供が受けた影響をコミカルに語ります。

 

Normalize Everything、全て普通化しようと。

メンタルヘルスは社会認知度が低く、話しづらい風潮があり、家族や個人だけで苦しんでしまいがち。周りも接し方が分からず、関わりずらいですよね。

ディビッドさんは、「怖くて顔を背けてしまうことに、コメディーでスポットライトを当て喜びを見出だす。そうすると腫れ物に触るような感覚が減る」と仰ってました。

 

私の母は生前50年以上、統合失調症と戦いました。

母の病気が理解できない子供の頃、恥ずかしいので学校では話してはダメと教えられました。少し成長してからは、助けを求めても社会的な協力を得られず、途方にくれたことも度々。

理解と知識の無さから、毎日の家事を病気と付き合いながら頑張った母を、尊敬できなかった時期もあります。

メンタルヘルスを普通に話せる社会になればと、このイベントに参加して、続けていく必要性を感じ、モチベーションも上がりました。

私も自分のワン・ウーマン・ショー、Pretty Beast(コメディー&ドラマ)を上演した時に、その重要性を強く感じ、パフォーマンスを続けています。

 

コミュニティに参加して繋がり癒しの一部になれた、貴重な体験。

コメディを通して同じ境遇の人を励ませることに、喜びを改めて感じた日でした。

 

Painted Breain l ペインティッド・ブレイン(英語)

 

 

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くさの和_Kazoo

スタンダップ・コメディアン
コメディ女優になろうと30代で渡米。アメリカ人を笑わせて11年。日本女子の視点で、フェミニズム、日米文化、政治、国際結婚、壊れた家族関係など、英語でコミカルに語ってます。でも実はくだらない夫婦ネタがほとんど。在米16年。UCバークレー休学中。LA在住。

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